タオルにやさしい洗い方・干し方
はじめまして。
タオルとくらす研究室の松浦と申します。
普段は伊織の本部でタオルの企画を担当しています。
タオルのデザインや設計などを考える中で一番の気がかりといえば、
「皆様の手に渡った後も、長く愛用してもらえるモノになるかどうか」
という点につきます。
店頭では気持ちの良いタオルだったのに、何度か洗濯してみたら、肌触りが全く変わってしまった……というお話をよく耳にすることがあります。
毎日使うものですし「絶対に劣化しないタオル」は作ることができないのですが、正しくお洗濯することでタオルの寿命を劇的に伸ばすことは出来ます。
そこで、私がおすすめするタオルの洗濯方法(2017年5月現在)をご紹介したいと思います。
<パンパン>とは……
脱水後、ぺったりと寝倒れてしまったパイルをしっかり立ち上げるため、パイルの目を「逆目」に持って、力強く「パンッ!パンッ!」と爽快な音を立てて、振りさばく行為のことを指します。
※逆目に持つこと、両手がちぎれるんじゃないかと思うくらい力強く振るのがコツ! タオルのお洗濯においては、この工程が一番重要です!
※振り方、逆目については動画をご参照ください(音が出ますのでご注意ください)
特に「無撚糸」のような柔らかい糸を使ったタオルだと、どのくらい激しく情熱をもって<パンパン>できるかで乾燥後のパイルのフワフワ具合に天と地ほどの差が生じます。
「ユサユサ」くらいの振り方では全くダメで、「パンッ!パンッ!」という破裂音があたりに鳴り響くくらいやっていただきたいのです(ハァハァ)。
◎ 洗濯機の種類について
家庭用洗濯機の種類は大きく分けて3つありますが、それぞれに良い点と劣る点があります。
ここでは、私が思う「タオルのお洗濯に向いたもの」をオススメしています。
1:縦型全自動洗濯機
洗濯~すすぎ~脱水まで全自動で行う洗濯機。
たっぷりの渦巻き状の水流で汚れを落とす「かくはん洗い」方式で、パイルに優しく汚れ落ちも良いです。
2:ドラム式洗濯機(ヒーター乾燥型 or ヒートポンプ乾燥型)
横向きのドラム槽ごと回転し、少ない水で衣類を上から下にたたき落として洗う「たたき洗い」方式のため、パイルの傷みは否めません。
また、2種類ある乾燥方法それぞれによっても劣化の進度が異なります。
▶ヒーター式
ドライヤーのように熱風を当てて乾燥させるため、生地が傷みやすい。
▶ヒートポンプ式
乾燥した空気を当てて乾燥させるため、傷みや縮みが少ない。
3:二層式洗濯機
アナログ感漂う昔なつかしい佇まいで、洗い~すすぎ~柔軟剤〜脱水までを全て手動で行う洗濯機。
面倒ではありますが、その反面、水量、時間、すすぎ回数などの綿密なカスタマイズが可能なので、上級者向けの洗濯機とも言われています。
洗濯方式としては「縦型全自動洗濯機」と同様、パイルに優しい仕上がりになります。
※昨年、自宅の洗濯機を新調する際、私はプロユースな二槽式を熱望しましたが、家族の大反対にあい、泣く泣く縦型全自動にしました..…。
◎乾かし方について
干し方(乾かし方)は、だいたい下記の2種類かと思います。
※縦型式洗濯乾燥機もありますが全くオススメしないため、ここでは2種に絞って書いています。
1:日陰干し
綿、麻、シルクなどの天然繊維は、紫外線のダメージを受けやすいため、天日干しは絶対にNO!
ということで、<日陰干し(部屋干しではないですよ)>をつよくオススメします。
干す際は、タオルハンガーにタオル半分に折ってかけるのではなく、ピンチハンガーでヘム(タオルの短辺の端っこ)を挟んで吊るすのが良いです。
その際、パイルを逆目にして吊るすと、パイルが立ち上がったまま乾いていきます。
バスタオルなどの大判のアイテムは、ピンチハンガーで干すと中央がたるみ、歪んだまま乾いてしまうので、物干し竿に掛けて干すのが良いと思います。
2:ドラム式乾燥
私は2週間に1回くらいのペースで、コインランドリーに出向き、業務用大型ドラム乾燥機を使います。
家庭用と業務用の効果の違いは、「ゆったりとしたドラム空間で、贅沢に、ユラユラとタオルが泳ぐように乾かすことができるか」という点です。
きゅうくつに詰め込まれた小さな家庭用のドラム内で乾燥をするのと違って、パイルの1本1本が見事にムキムキー!っと立ち上がり、驚くほどボリュームアップします。
少々くたびれてしまった古いタオルも思った以上に復活しますので、ぜひお試しください。
また、家庭用のドラム乾燥の場合は、できるだけタオルを詰め込みすぎないようにしましょう。
【 縦型洗濯機の場合のオススメ 】
ドラム乾燥は基本的に高温の熱風を長時間当てて乾燥しますので、毎日くりかえすと、生地の劣化が早くなってしまいます。
そのため、縦型全自動洗濯機をご使用の場合は、下記の組み合わせをおすすめします。
▶通常:脱水→パンパン→日陰干し
▶2〜3週間に一度:脱水→パンパン→大型ドラム乾燥
【 ドラム式の場合のオススメ 】
ドラム式洗濯機をお使いの場合は、日陰干しではなく、そのまま乾燥まで行っていただいたほうが良さそうです。
というのも、ドラム式で「脱水→パンパン→日陰干し」や、「脱水→ドラムで弱乾燥→パンパン→日陰干し」など、弱乾燥の時間検証なども含めていろいろ試してみたのですが、「たたき洗い」の宿命なのか、顔を真っ赤にし、腕がちぎれて飛んでいくほど「パンッ!パンッ!」をしても、なかなかパイルが立ち上がりません……。
生地の傷みは早くなってしまいますが、毎日乾燥までかけていただいたほうが、フワフワを感じられるかと思います。
鼻息荒く長々と書き綴ってまいりましたが、冒頭で(2017年5月現在)と書き加えましたとおり、
今後の洗濯機や乾燥機の進化などによって、オススメ方法も変化するかと思います。
また、洗濯洗剤や柔軟剤の組み合わせ・使い方、種類の検証なども行っていますので、より良い新たな方法がみつかりましたら、またお知らせしたいと思います!
ではまた〜!
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